COLUMN #58 Everything happens at the same time at the same place

友人に「今、何の仕事してる？」と聞かれると困る。何と説明すればいいのか…

今年の初め、約3年勤めた会社を退職した。デザイナーとプランナーの両方をやっていた私は、どちらも究められず中途半端な状態だった。転職サイトを見ながら、「デザイン」「PM」「企画開発」などと振り分けられたジャンルを見てどこにも当てはまらない自分は、世の中的に求められていないのかもしれないと漠然とした不安を抱えた。

やばい、何者にもなれてない。そんな、路頭に迷っていた時にMIDORI.soと出会った。真冬のちょっと薄暗い中目黒のMIDORI.soでは、ラウンジでカレーパーティー（ランチ会）をしていた。シェアオフィスというキーワードからは想像がつかない、シェアハウスのような生活感のある光景に驚きを隠せなかった。

いろんな業種・年齢・性別・国籍の人が集まり、生活しながら仕事もしていた。「生活するために働く」というより、「生活の中に働くがある」ような感じがした。正社員という雇用形態にこだわって、安定的な収入を得られることが私の働く目的だと思っていたけれど、そうではない働き方や景色と出会い、自分の中で選択肢が広がった。

いま、MIDORI.soでコミュニティオーガナイザー（CO）として働きながら、私の働き方を開拓している。毎日のCO業務以外にも、グラフィックデザインやSNS運用、その他にも気になることがあればどんどんやらせてもらうようにしている。好奇心が赴くままに動いていたら、以前よりさらに何者なのかよくわからない状況にはなってしまっているが、私はそれをポジティブに捉えている。何者でもないけれど、やろうと思えばなんでもできる。とりあえずやってみる。そんな種蒔きの期間を経て、3年後、5年後には何をしているのかまだわからないが、なりたい自分の将来の姿のヒントがMIDORI.soには詰まっている。

「好きなことしかやりたくない」そんな幼い頃からのわがままが、いまでは働き方に繋がっている。好きなことへのこだわりが強くなった結果あれもこれもと何個も肩書きがついてしまったが、一言で何をしているか説明できないが、終始働くことを楽しんでいるならいいじゃんと感じている。自分が思うようにやっていれば、自ずとスキルや経験は身についてくる。ひとつに留まらない自分を楽しんでいる。

友人に「今、何の仕事してる？」と聞かれたら、次は「MIDORI.soに一回来てみる？」と答えてみようと思う。職種として形容できない多様な生き方の選択をこれからも開拓していこうと思う。