COLUMN #251 わたし色

Topic: Column / Written by erika kimura /
2026/9/24
251

人の印象というのは、おもしろいものだ。

流行を超えて、似合わせのスタンダードになったイメージコンサルティング。通称イメコン。

診断好きな私は、顔タイプ診断、骨格診断、パーソナルカラー診断など一通り受けている。

うっすら流行しはじめた10年ほど前、私のパーソナルカラーはブルーベースのサマー(ブルベ夏)だった。水色、青みを帯びたピンク、紫、ネイビー。水辺の情景が思い浮かぶような、爽やかな色が似合うとされる。プロにそう言われてから、かなり長い間、ブルベ夏としてモノ選びをしてきた。

それなのに。2年ほど前、ふと思い立って受け直したイメコンの先生が一言。

「え、木村さん、ブルベの要素はぜんぜんないですよ?」

えぇ!!?

聞けば、一番似合うのがイエローベースのオータム(イエベ秋)、次に似合うのがイエベ春という、生粋のイエベ。ブルベカラーを身につけると血色感がなくなるらしい。どうりで「体調悪い?」とよく聞かれたわけだ。

あまりこだわりのない私は、それからすぐに、すべての服やコスメをイエベカラーに入れ替えた。

それから1年ほど経ったある日、会社を退職することになった私は、イエローとオレンジのお花が集められた花束をいただいた。

それまでに退職した会社でいただいた2つは、青みがかったピンクを中心とした、まさにブルベカラーの花束。

なんとまあ。人のイメージなんて、いとも簡単に変わるのだ。私の中身はたぶん何も変わっていないのに。

それ以来、パーソナルカラーではなく「わたし色」について考えるようになった。

私は今も毎日、イエベカラーを身につけている。ワードローブは同じような色ばかり。

でもこれは、残念ながら「好きだから」「私っぽいから」にはたどり着けていない。「似合うと言われたから」のほうがまだまだ近い。

まあでも、「たしかに似合ってるかも」と自分でも思える色を身につけるのは、気分も悪くない。

そうやって選んで、身につけて、いつの間にか周りの人からも「私っぽい」と思われるようになる。そのうち、自分でも「これが私っぽい」と思いはじめるのかもしれない。

だとしたら、「わたし色」は最初からどこかにあるものではなく、毎日の小さな選択のなかで少しずつできていくものなのだろう。

そんなことを考えながら、私は今日も似たような色の服に手を伸ばしている。

MIDORI.so Newsletter: