COLUMN #251 わたし色

人の印象というのは、おもしろいものだ。
流行を超えて、似合わせのスタンダードになったイメージコンサルティング。通称イメコン。
診断好きな私は、顔タイプ診断、骨格診断、パーソナルカラー診断など一通り受けている。
うっすら流行しはじめた10年ほど前、私のパーソナルカラーはブルーベースのサマー(ブルベ夏)だった。水色、青みを帯びたピンク、紫、ネイビー。水辺の情景が思い浮かぶような、爽やかな色が似合うとされる。プロにそう言われてから、かなり長い間、ブルベ夏としてモノ選びをしてきた。
それなのに。2年ほど前、ふと思い立って受け直したイメコンの先生が一言。
「え、木村さん、ブルベの要素はぜんぜんないですよ?」
えぇ!!?
聞けば、一番似合うのがイエローベースのオータム(イエベ秋)、次に似合うのがイエベ春という、生粋のイエベ。ブルベカラーを身につけると血色感がなくなるらしい。どうりで「体調悪い?」とよく聞かれたわけだ。
あまりこだわりのない私は、それからすぐに、すべての服やコスメをイエベカラーに入れ替えた。
それから1年ほど経ったある日、会社を退職することになった私は、イエローとオレンジのお花が集められた花束をいただいた。
それまでに退職した会社でいただいた2つは、青みがかったピンクを中心とした、まさにブルベカラーの花束。
なんとまあ。人のイメージなんて、いとも簡単に変わるのだ。私の中身はたぶん何も変わっていないのに。
それ以来、パーソナルカラーではなく「わたし色」について考えるようになった。
私は今も毎日、イエベカラーを身につけている。ワードローブは同じような色ばかり。
でもこれは、残念ながら「好きだから」「私っぽいから」にはたどり着けていない。「似合うと言われたから」のほうがまだまだ近い。
まあでも、「たしかに似合ってるかも」と自分でも思える色を身につけるのは、気分も悪くない。
そうやって選んで、身につけて、いつの間にか周りの人からも「私っぽい」と思われるようになる。そのうち、自分でも「これが私っぽい」と思いはじめるのかもしれない。
だとしたら、「わたし色」は最初からどこかにあるものではなく、毎日の小さな選択のなかで少しずつできていくものなのだろう。
そんなことを考えながら、私は今日も似たような色の服に手を伸ばしている。
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