COLUMN #218 生まれて6ヶ月経った

いよいよ喜怒哀楽を示し、コミュニケーションがはじまった息子。こちらが笑いかけると笑い返す。やっと「子」育ての実感が湧いてきた。あらためて思い返すと奇妙な半年間だった。
わたしの内臓
つい先月くらいまで、意志らしきものはあまり見られず、極端な話だが外気のもと生きてる胎児という感じで、お腹にいたころのままの「わたしの内臓」だった。飲食店で3名様(内こども1)と案内されると、な…内臓をカウント!?………とまではさすがに思わないものの、一瞬動揺していた。3時間毎のミルク、おむつ替え、ぐずったらあやして寝かせる、…わたしの内臓を。今まで明確な「子」育ての実感が湧かなかったのは、この、究極のご自愛感覚のせいだと思われる。
前情報と違う
赤ちゃんは特有のいい匂いがする!と聞いていたのだが、いまいち享受できていない。わたしにとっては基本的に濃いめのおしっこの匂いだ。おむつを替えても、シャワーを済ませても、おろしたての服を着せても、ふわりと漂うおしっこの香り。当然ながら下半身から漂っている。漫画でしか見たことのないセリフ“ションベンくさいガキ”って表現、こういうことか〜!と別の発見をしたわけだが、つい数日前、冬用に新調した超しっとりボディソープで洗ったらほんのり甘い桃の香りに変わった。…こういうことだったのか!?
マミーブレイン湯婆婆
ここ最近は「こよみ」という彼の本名の三文字にひとつもかすっていない、ティちゃんというあだ名で呼んでいる。同名の某育児系インフルエンサーとは一切無関係だ。雑に経緯を説明すると、ちゃん付け等の語尾部分が変化を繰り返し、その都度短縮され、数ヶ月かけてこうなった。ちなみに夫は「ぴぴ」になり、もちろん一文字もかすっていない(「パパ」に由来した事実はない)。つい先月までの呼び名はパッと浮かばないし、来月にはまた呼び名が変わっているに違いない。
呼び名もそうだが、いつも昨日のことのように覚えていた、そして一生忘れまいと思っていた、あの出産のヘトヘトも、あの黄昏泣きの声とエンドレスゆらゆら抱っこの感触も、日々をどう過ごしていたのかすらも、千と千尋の神隠しのようにしゅわしゅわと少しずつ記憶から消え去っていっている。
あるのは喪失感ではなく、とても長い夢から覚めたような感覚だ。もしかしたら息子本人もそう感じているのかもしれない。これが「人生がはじまる」というものなのだろうか。不思議でおもしろくてたまらない。
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