COLUMN #90 Reality and Imagination

Topic: ColumnWritten by Rai Akasaka
2023/5/26
Reality and Imagination

現実と想像

漫画やアニメが好きです。でも影響をかなり受けてしまうので、少し抵抗があります。
幼い頃から自己表現が苦手で物思いに耽ることが癖でした。なので漫画やアニメなどを観てしまうとその世界に没頭してしまい、物語の中から脱け出せなくなります。そしてだんだん現実がつまらなく感じてきます。ゲームも同じ理由で現実に戻れなくなってしまう気がして学生時代は自ら距離をとって日々過ごしてきました。

当たり前ですが、現実は漫画やアニメのようにいきません。楽しいこともありますが大変なことだって多くあります。たまに受け止めきれない現実に嫌気が差したり、自分の人生から逃げたくなる時もあります。そんな時、自分は好きな映画や音楽、漫画やアニメの世界に浸ってしまいます。現実の悩みは解決しませんが、現実逃避をすることで一時的に嫌なことから逃げてきました。

現実逃避と分かっていながら好きなのでいろんな作品を観ています。アニメ「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン 」に印象的な話がありました。「ジョジョ」には「スタンド」といった超能力的なものを使うキャラクターがたくさん登場します。それぞれのキャラクターは個性的な能力を持っており「スタンド」には名前があります。自分的に衝撃だった「スタンド」は「ボヘミアン・ラプソディー」という能力。

その能力は、自分が「幼少期に影響を受けた」キャラクターや有名な作家などが現実世界に飛び出してきます。かわいい能力かと思いますがキャラクター達は不気味な見た目で襲ってきます。少し説明が難しいのですが、飛び出してきたキャラクターに出会ってしまうとそのキャラクターの物語通りにしか行動ができなくなってしまうのです。例えば、有名な「赤ずきん」に出会ってしまうと自分は悪役の「オオカミ」になってしまい、最終的には物語通りお腹をハサミで切られてしまいます。

主人公が絶体絶命の状況の中、この能力を打開する策が「自分で物語を創作する」ことでした。オリジナルのキャラクターを作り物語を描く。そうすることでこれまで自分が影響を受けたものを乗り越えて勝利するのです。

現実が嫌で空想の世界に浸ることで気を紛らわしていた自分にとってこの発想は嫌な現実を乗り越える突破口のような気がしました。

時としてつまらなく感じてしまう現実も、何かを「表現すること」「自分の物語を創作すること」で乗り越えられると。そして「人と話すこと」「文章を書くこと」「何かを伝えること」が現実を変える大きな一歩だと思って今日も前に進んでいます。

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