COLUMN #65 connecters

Topic: ColumnWritten by erina shiokawa
2022/11/11
connecters

ここ1ヶ月くらいの間、北は青森、南は五島列島までいろんなところをひっそりと横断していた。今回はそのなかでも五島列島のあれこれについて綴ってみる。五島列島といえば複雑な歴史、青い海、旨い飯など上げ出したら魅力は語り尽くせないが、近年ではクロマグロの養殖基地化や洋上風力発電など再生可能エネルギーの島として注目を浴びている。

今回、そんな九州最西端の小さな島までわざわざ行った理由は五島市が主催している「余白と戯れるワーケーション」と題したプログラムに参加するためだった。リモートワークが当たり前になった時代に向けて、生き方・働き方を選び直してみる。そのための実験型ワーケーションだ。人口減少と経済のV字回復対策として五島市が交流人口や移住のきっかけとして3年前からテーマを変えながら行なっており、それをメンバーが手伝っているという話がきっかけだった。プログラム自体は最低でも45日の滞在を推奨され前半は複数人でバンガロー生活(シェアメイトならぬバンガローメイトだ)。あえての不憫さを体験したり自然を満喫したり、働いたり、ぼーっとしたり、参加者同士や地元の方との交流だったり、と各々の選択でいかようにも楽しめる。

そんな滞在期間中に「コネクター」と呼ばれる方をはじめ、地元の方々や仕事で出入りをしている人々にも大変お世話になった。一般の観光じゃ味わえない五島の遊びや楽しみ方をいろいろ教えてもらったり一緒にあれこれやったりとしながら、なぜ五島列島に関わったり暮らしているのか、それぞれの想いを聞くのも興味深かったし、愉快で気のいい人たちばかりでそれは素晴らしい時間を過ごした。またここに来たいなと思うきっかけは結局のところ「人」なのである。とある著名な建築家の方々と一緒にディナーを囲むことになったり(茨城弁に詳しい)五島を有機サツマイモの島にする!と意気込んだ社長が畑を案内してくれたり(バンガローメイト)島の仙人に暮らしを見せてもらったりイカ釣りさせてもらったり(釣れなかったけど)イカ釣り名人と本気のカンパイをしたり(そして覚えていない。)

五島に関わっている人々は「五島列島は素敵な偶然に出会ったりそれを引き寄せる力がある」とみんな口を揃えて言っていたのだが、最終日に近づくにつれてその意味がなんとなくだがわかったような気がする。余白の概念は人それぞれあるが、MIDORI.soはただ働くだけのコワーキングスペースではない。雑談したり笑ったり、一緒に考えたりと、日々いろんな状況が起こっている。そんな時間を大事にしているし、メンバーとの会話があったからこそ私は五島列島に赴き、いつもの日常よりほんの少しの余白があったからこそのかけがえのない体験を得ることができた。どんな状況においてもいつも始まりは人との雑談や一言から。次はどんなことが生まれるだろうか。

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