COLUMN #54 dig the future

Topic: ColumnWritten by sayoko kawai
2022/8/26
dig the future

MIDORI.so馬喰横山の話。この問屋街の真ん中にあるMIDORI.soには、「再生」というキーワードがある。50年前に作られ、ユースホステルだった建物をリノベーションした、机や椅子などの家具のほとんどは、MIDORI.so表参道にあったものを持ってきている。それもあって、1Fのシルクスクリーンやミシンなどものづくりが出来るスタジオとスタジオから始めたブランドもアップサイクルスタジオと位置付けている。今私が中心となって進めている屋上ガーデンのプロジェクトも同じ「再生」がキーワードだ。

一からガーデンをつくるプロセスとして「再生」を軸にウッドデッキから取り組んだ。工事現場で用いられる足場板をウッドデッキの材料として使った。たくさんの人がウッドデッキを踏み、太陽を浴びることでエイジングされ、2年後にはこのデッキは家具に再生されることになる。プランターなどの造作物は、問屋街の廃材を再利用する。先日、隣にある奉仕会館さんから「こんなにいっぱい何に使うの?」と言われる程のごみとされていたハンガーラックやカートをいただいた。さて、問屋街ならではの「ごみ」をこれから何に再生させようか。これからの9月中旬オープンまでのお楽しみだ。植物の栽培も、雨水をなるべく使い、何かしら食べられ、循環していく仕組みを作っていく予定だ。ついでに、ミツバチにも仕事をしてもらう(巣箱の近くにいかないかぎり刺さないのでご安心を!)。

「人は本能的に自然の風や木々、水の流れなどに接することで、幸せを感じられるようにできている」というバイオフィリックという考え方がある。最近ではオフィスにも、この考え方に基づいて観葉植物など置かれているところが増えている。MIDORI.soの屋上にガーデンでは、この考えをやや実践的なアプローチで検証できたら面白いだろう。

秋になって完成した屋上に立った時、いったい何を感じるのだろう。また、植物たちが育ってくるであろう1年後はどうだろうか。メンバーや屋上プロジェクトに関わる人たちそれぞれが幸せを感じることができるような、ふらっと立ち寄りたくなる場所になれたらいいなという想いで庭づくりをしている。

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