COLUMN #52 pave the way

気付けば8月になっていて、暑さで心も身体もどうにかなってしまいそうだ。毎年、私は夏に一番焦っているような気がする。まだ8月、されどもう8月。どうもこの時期は自分を上手くコントロールできない。春に大学院に進学してからというものの、より焦燥感に駆られるようになった。課題と研究に追われながら、MIDORI.soでのインターンも気づけば5ヶ月目。右往左往していたら、夏休みに突入していた。
久しぶりに会った友人との、近況報告会。半年前まで毎週のように顔を合わせていたけれど、お互いの環境が変わってから会うことは初めてだった。最近の学生生活のこと、インターンのこと、日々のこと。毎日上手くいかないことばかりで、何も達成できてない自分が恥ずかしい。すると「あなたがずっと求めていた生活を実現させたんだね」と言われ、ハッとした。私は望んでこの環境を手に入れて、それは当たり前のことではなかったことや、来年にはこうなっていたいねと、互いの未来を語り合っていたことを思い出した。もちろん全て順調になんていかないけれど、日々に忙殺されて忘れかけていたことを、彼女の一言で気付かされた。
「面白いと思う人といて、思うことをした方が、もっと自分が面白くなれるよ」
昨年、就活という恒例行事にすっかり心が参ってしまった時に、教授に言われた言葉が頭をよぎる。一体私は誰と、どこにいたい? 「普通」と言われるレールから外れることには不安もあったけれど、背中を押してくれたのはこの言葉だった。大学院に進学して、自分の専攻である社会学とアートを突き詰めたい。そのために社会との接点が欲しいし、外のコミュニティに触れたい。そんな時にちょうどMIDORI.soのインターン募集を知り、縁あって編集チームとして仲間に入れてもらえることになった。どこか「働く」ことに抵抗を覚えていた私だったが、ここに来て、人それぞれの働き方があって、それは個人の生き方や感性に直結していることを知った。レールなんてものは、自分が安心したい枠組みを作りたかっただけで、初めからどこにもなかったのだ。
求めて辿り着いた環境は決して極楽ではなかったけれど、ここでもがいていることには必ず意味がある。そう断言できるのは、自分で決めた選択だからだ。私は、自分のアンテナにだけはなぜか妙な自信がある。そしてMIDORI.soが、その気持ちをより一層強固なものにしてくれる。
一度の人生、自分を安売りしたくない。いつだかiPhoneのメモにそう書き残していた。自分で自分のアンテナを信じてあげることができれば、人生は案外面白い方向に転がっていくんじゃないかと思っている。これからは、たまに立ち止まって後ろを振り返りつつ、私が拓いていく道を歩み続けていきたい。
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