COLUMN #165 コンサルティング全盛時代に思う

Topic: ColumnWritten by Naohiro Kiyota
2024/12/6
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おはようございます。今朝も寒いですね。 先日、某東大考古学部卒業後、某外資金融会社を経由して、現在フリーの経営コンサルタントのVillageメンバーさんと話をしていて、ここ数年で東大京大生の就活人気企業ランキング上位が、外資系コンサルや金融の企業ばかりになってきているそうです。優秀な人材が国内のいわゆる事業会社に入らず、自社の事業戦略や新規事業などの重要な仕事を外部のコンサルティングファームに外注せざるを得ない状況で、ますますコンサルは忙しくなって、コンサルタントが足りなくなってきて、いわゆる難関国立大学からの人材供給だけでは間に合わなくなってきている、そしてこの傾向は加速している、とのこと。この話を聞いて、ちょっと違和感というか、モヤッとした気持ちになったのでした。


私が考える、そのモヤッと要因は3つです。

1つ目は、会社ってなんだろう? 会社に最終的に残る仕事ってなんだろう?ということ。業務効率化のためにいろんな仕事を外注するようになって、最後の最後にその会社に残るものはなんなのか? おそらく定量的に図れず、業務効率で片付けられない「好き」といった気持ちや、合理的根拠のないビジョン、創業時の思い、社員のカルチャーなど、定性的で情念的で非効率だけど会社のコアになってるようなもの、なんだろうなと。


2つ目は、自分の会社に外から若いコンサルタントさんがやってきて、歴史や現場を知らない若者が会社の重要な意思決定をするわけで、これを面白く思わない社員もいるだろうし、やりすぎるとロイヤリティも下がるだろうなあと。


3つ目、世の中コンサルだらけになってしまうんじゃないか、ということ。実際にはそうならないとは思うけど。長期的に事業に責任を持つ人が減ってしまうのは会社にとってよくないんじゃないか、という勝手な印象を持ってしまう。日本全体が「船頭多くして船山に上る」的な感じにならなければ良いなと。


4つ目、やりたいことが見つからない若い人が多いんだろうなと、昔からそうなかもしれないけど。見方を変えると、就職前にいくら業界研究したところで、現場の実態なんてわからないし、若い人にとってコンサル業界は様々な業種に関わることができるし、報酬も高いし、魅力的だろうなと。離職率の高さを見ると、やりたいことを見つけて事業会社に転職したり、起業したりというパターンも結構ありそうだし、むしろいいことなのかもしれない。


こんなことを考えていると、MIDORI.soという場は、ただのシェアオフィスではなく、実はひとつの会社、新しい仕事組織として捉えることもできるのではないかと思う。あらゆる業種の専門性の高いメンバーがいて、わからないことを教えてもらったり、お互い仕事を外注しあったりしながら、MIDORI.soが持つカルチャーとか美意識みたいなものは共有しているという。

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