COLUMN #132 僕の最初の仕事

Topic: ColumnWritten by shunwakui
2024/4/12
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ここ(MIRAI-INSTITUTE)で働いて4年が経つので働きはじめたばかりのころを振り返りたいと思います。


「バイト先がなくなる」当時働いていた表参道にあったカフェIkibaがコロナで閉店するとマネージャーに言われました。その代わり、MIDORI.soで働くのがいいのではないかと言われ、MIDORI.soの代表 小柴さんにメールをしました。メールの返信がなかなか来ず、やっと漕ぎ着いた面接はランチ会。知らない人達に囲まれてかなりナーバスになりましたが、面接した次の週から働くことになりました。


働き始めて直ぐ、交通事故で弟が死にました。シフトに入りだして4回目とかのことだったと思います。それは、まあ本当に悲しいことで彼の死の直後は何がなんだか自分でも理解することが出来なくて、夢の中にでもいるのかもしれないと、こころここにあらずでした。職場ではコミュニケーションを取らないといけない?働くとは? NO I don’t want to workですよね。何もしたくない、これが本音でした。でも弟が死んでも暮らしていく為のお金は自分で稼がないといけない(当たり前)。しかも暇、働くしかない状況でした。


社会人経験がほぼなかったのでメンバーと何を話したらいいのかも分からない私は、掃除だけはできたので掃除をすることにしました。MIDORI.soは掃除しがいがあったし、それしかすることがなかったんです。自分の仕事は自分で探せというスタイルの会社で「自分ができる仕事ってなに?」当時の自分はまだ分かっていませんでした。なので半年以上ずっと掃除を続けました。中目黒の屋上にはウッドデッキがあったのですが腐ってボロボロ。それをチェーンソーでガガガっと切り、伸びすぎた蔦を剪定し、窓ガラスを拭き、ベランダを洗って、建物の周りを箒ではいたり、本当にずっと掃除をしていました。


それしか出来なかった。けどそうすることで、これを片付けるにはどうしたらいいか、ここを掃除してほしいというように次第に掃除を依頼されるようになってきました。それが自分で見つけて作った最初の仕事と呼べるのではないかと思います。


なにはともあれ、暇で退屈している人は、一度がっつり働いてみるといいと思います。あと悲しい気持ちの人も。働きたくない気持ち痛いほど分かります。けどね、やってみないと分からないことばかり。どんなにしょぼくても、つまらなさそうでもいいんです。ツイッターとかばっかりみてないで自分の頭で考えて、身体で感じて、こころに刻んで今日を生きる。頭がいいとか、悪いとかそんなの本当に関係ないんです。自分は学もないし本当に働きたくなかったのですから。でもやっぱり殻に閉じこもっていてはなにも生まれないんですね。自分の殻は自分で割るしかない、時間がかかってもいいから割ってみる。そしてまた「ああ、暇だな」と思う時が来たら(どんなに働いてても絶対来るしそれは不可避)そっと昔の自分に目を向けたり、続けられないことを前提に新しい趣味に没頭したり、気晴らしをする。そうやって四苦八苦しながら人生が進んでいくのかもしれない、と思っています。


この職場で働くとは、仕事とはということを少しは理解できたように感じます。やらされるのは労働、自分でやれることが仕事になっていく、今はそう思います。


初心を忘れずこれからも掃除を大切にこの場所の美しさを整えていきたいです。

(美しさの話はまたの機会に)

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