COLUMN #124 In your case, what does 'HOME' mean?

Topic: ColumnWritten by Yuko Naito
2024/2/9
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あなたにとっての「HOME/実家」とは。


そう問われたときあなたなら何を指しますか?
この話のきっかけはとある飲み会での「最近読んだ本」について数人で話しをしていたときでした。本の名前は『バレンボイム / サイード 音楽と社会』というもので、世界を代表する指揮者の1人で有名なロシア系ユダヤ人のダニエル・バレンボイムと「オリエンタリズム」についての研究や「ポストコロニアル理論」を確立したパレスチナ系アメリカ人の文学研究者 / 文学評論家のエドワード・ワディ・サイードによる対談を書籍化したものです。本の中での「HOME/実家」の定義は「そこを出発点とし、どこか冒険をして、また戻ってくる場所」というもので、それぞれの家について考え語り合いました。自然が好きなひとは「森」。理由は世界中の森にはそれぞれの景色が存在して新鮮な気持ちにさせてくれると同時に自分の心を落ち着かせてくれるから。また他のひとは「日本」。それは自分の母国語である日本語が通じる場所は心が落ち着く、安心するからというものでした。それぞれ出発点であり、豊かな世界を感じ、心の落ち着きを求めるものを教えてくれました。私の番となり、HOME/実家はどこか。という質問に対して出した答えは「表現できる場所」「アウトプットできる空間」でした。私にとってのHOME/実家は決まった具体的な場所ではなくて、その場その場に帰還して、心を落ち着かせてくれる場をつくる「空間」な気がします。例えば今のように自分の頭の中の考えを言葉として紡ぎ誰かに伝えるとき。筆を持ち白いカンヴァスを目の前にするとき。楽器を演奏している空間。このように日々様々な景色を観て、音を聴き、人と話したものを自分の考えや思いを言葉や絵、音楽や時間などにのせてアウトプットする空間と場所。それが私にとってHOME/実家なのです。


コミュニティオーガーナイザー(CO)になって2ヶ月と少し。私がこのMIRAI-INSTUTUTE / MIDORI.soCOを希望した理由は「多くの刺激をこの場所で得たい」その思いがとても強くありました。そして現在COとしてメンバーのみなさんやそこを超えた方々ともたくさん触れ合うことができる日常がとても幸せです。ただそれはまだ受け身でしかありません。これからはMIDORI.soを私のHOME/実家として良いものを還元していけるよう努めます。そしてこのMIDORI.soがあなたにとっての、あなたなりのHOME/実家として少しでも存在できていれば私のCOとしての冥利に尽きます。

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