COLUMN #63 mind your businessss

Written by Yuko Nakayama
2022/10/28
mind your businessss

お茶汲みをしている自分が嫌だった。給湯室でお茶を淹れ、お偉い人々が打ち合わせをする会議室や社長室のドアをノックしお茶を運んでいた頃がある。もちろんお茶汲みも立派な仕事の1つである。ただ私にはどうも性にあわなかった。働きながら漠然とした違和感が積み重なり、私は大学を卒業して入った会社を2年で辞めることにした。確信はなかったが、大海原を前にしてもっと違う世界が世の中にはあるはずだと曖昧な希望を抱いていた。そして、紆余曲折しMIDORI.soにたどり着いた。

今思えば、そこに自分の気持ちが乗っかっていない行為に違和感を持っていたのかもしれない。年功序列、男尊女卑の文化が漂う会社の中で、決まりだから、当たり前だから、と誰が決めたのか分からない習わしのような所作について教えられた。もちろんそれは社会を生きていくためのマナーであり、処世術なのかもしれないが「どうしてやらなきゃいけないんだろう」というある種の子供じみた考えがつきまとっていた気がする。

誰かが飲みたいと言わなくても、MIDORI.soの朝はしばしばコーヒーやお茶を淹れるところから始まる。朝から徹夜明けで疲れた顔をしたメンバーを見たら、そりゃあ一杯のコーヒーを淹れて、今日も頑張ろう!と元気付けたくなる。MIDORI.soに入りたてのメンバーを見かけたら、おはようの挨拶がてらコーヒーを配り「どんな仕事をしているの?」「週末は何をしていたの?」と世間話に花を咲かせる時間も好きだ。あの頃のお茶汲みをしていた自分と比べて、MIDORI.soにいる私の行為はいつだって自分の思いが原動力になっている。誰かに言われたからやるわけではない、私がしたいから動く。それが表現できる環境に日々身を置けることはとても気持ちがいいことだ。そして、それがMIDORI.soで働くメンバーの居心地の良さとなり、自ずと目には見えない良い空気感につながっていたら、本望だ。

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