COLUMN #61 hello and goodbye

Topic: ColumnWritten by Mizuki Kanamura
2022/10/14
hello and goodbye

先週末の日曜日、渋谷PARCO10階のComMunEMIDORI.soのイベント「Everything happens at the same time at the same place」を企画した。音楽やフード、物販、パフォーマンスなど、MIDORI.soメンバーを含んだ様々な人の表現を一堂に楽しめる、MIDORI.soのコンセプト「良質なカオス」を拠点外で再現したイベントだ。

会場となった ComMunEは、去年の8月でクローズしたMIDORI.so Omotesandoが表参道のComMunEの思いを引き継いでいる。場所は違えど、運営している人たちが一緒だったり、置かれている家具が懐かしかったりで、初めての1年を経てComMunEでイベントを開催出来ることは感慨深かった。

昔の表参道のComMunEの賑わいは、観光で東京へ来たときに一度だけ味わったことがある。表参道の交差点のすぐ近くだとは思えないところに、門をくぐると異世界があった。出店が不規則に立ち並び、昼間からお酒や音楽、人との交流を楽しむ人たちでひしめき合っていて、日本とは思えないような空間がそこにはあった。

私が東京に越してきたのは2020年の1月で、コロナの真最中だった。飲酒や喫煙が禁止になってしまったComMunEは前の姿とはすっかり変わってしまっていたが、それでもその名の通りコミューン感のある空間には変わりなかった。週に何度か、MIDORI.so Omotesandoに出勤するのは日常の延長線上で異世界で働けるようで楽しみの一つだった。

今は、ただの駐車場になってしまっている。

今回のPARCOでのイベントの話が出てきたときに思い浮かんだのは、当時のカオスな空間、人々がそれぞれの思うように楽しんでいる空間を再現することだった。たった1日限りだったが、人が表現できる場所、その表現に出会い人の中で何かが生まれる場所を作れたのではないかと思う。永遠に続くものはないとしても、出会いは永遠に続く。そして人も環境も全て変わり続ける。

そんな場所や空間、状況の必要性を、これからも提示していきたい。

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