COLUMN #185 なんとなくが許容される世界観

Topic: ColumnWritten by Miho Koshiba
2025/5/16
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20254月、旧池尻中学校の跡地に「HOME/WORK VILLAGE」が開業しました。この場所はかつて「IID 世田谷ものづくり学校」として、多くの若者たち(?)が集い、学び、挑戦してきた特別な場所。私自身も、IIDで開催されていたスクーリングパッドのデザイン学部に参加し、黒崎輝男さんとの出会いを通じて、現在の道を歩み始めました。あの時の経験が今の私を形作っていると言っても言い過ぎでもないかな。


スクーリングパッドは、黒崎さんが友人を招いてトークセッションを行うという至ってシンプルな形式でしたが、この人は働いてるのか?どうやって生きてるのか?みたいな人や、会社員というステータスを120%活用してやりたいことをしている人、常識の枠をどんどんアップデートしていっている人など、当時の私にはよく分からないまま刺激をガンガン受けました。実際、私と同じような経験を通じて多くのユニークな人材が育っています。起業し面白いことに挑戦する人、自らの道を切り拓く人などなど。創業支援と声高に謳わなくとも、人々が自然と成長し、気づいたら世に羽ばたいていた、そんな不思議で魅力的な環境でした。


池尻大橋駅から歩いて10分近くかかるのに、会社終わりになんとなく遊びに行く、そんな磁場がありました。前にもコラムで書きましたが、メジャーじゃなくてもインディペンデントな人たちが集まっていたからなのではないかな。そして、目的や利害関係なんて気にせず、なんとなく面白いから/なんとなくいい出会いがあるから/なんとなく自分のやりたいことを見出せそうだから。この「なんとなく」がいい塩梅だったのかもしれません。


もちろんやり遂げたいことや実現したい世界観はあるし、時間にもリミットがあることは重々承知の上で、たまには「なんとなく」が許容される世界がもっとあってもいいのではないかな。そこに人間の可能性があるのかもしれない、なーんてことまで考えてしまいます。


MIDORI.so IKEJIRIは「HOME/WORK VILLAGE」の中に位置するワークスペースとして「なんとなく」が許容され、そこから何か生まれていくようなワクワクする磁場を作り出していきたいです。

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