COLUMN #15 minimalism?

私はモノで溢れた MIDORI.so が好きだ。こんなに良いモノが沢山あるのはMIDORI.so 発起人の黒崎輝男がIDÉEの創業者であることも影響しているだろうが、どこで買ってきたんだろうというような変わった形のテーブルにはじまり、大きな本棚には面白そうな本がぎっしりと詰まっている。オフィスの中でも重要な椅子はというと、ヴィンテージやモダンでカラフルなモノなど様々で、全体的に統一感はないのになぜか調和している。そんな空間からは、どんな個性でも受け入れられるよという安心感を感じられる。
これは無機質でモノトーンな最近流行りの部屋とは正反対のルックスである。少し前に(今も流行っているのかもしれないが)ミニマリストライフ的なものが流行っていた。無印良品やユニクロの再興から、同じ服を何着も買って毎日無地の白いTシャツにジーンズを着るという人が大量発生したり、Kinfolk的世界観への憧れ、Netflixにはミニマリスト系映画の一覧が現れ、本屋にもそのようなコーナーがあったり。こんまり流断捨離は世界的に知れ渡った。
確かにモノを減らしたら身軽になるし、いる場所にも縛られなくなるかもしれない。頭もクリアになって色んなことを考える余地も生まれるかもしれない。でも、世の中の人がみんな白いTシャツにジーンズを履いていたら、ちょっと気持ち悪い。それはある意味思考停止的というか、少し心のないロボットに近付いているような感じがする。自分が好きなモノは何?そこを正直に感じられる余裕や自由、遊び心こそ、人生を豊かにするんじゃないだろうか。全てが効率的で役に立つ必要ってあるのだろうか。無駄なもの、役に立たない余剰ほど、生活に彩りを与えてくれるんじゃないだろうか。
着るモノも、持つモノも、その人を表している。MIDORI.soには自分の「好き」が如実に現れた人が多いような気がする。MIDORI.soメンバーが出店する蚤の市にも、その辺のマーケットや古着屋さんに負けないくらい素敵なモノが並んでいる。「こんなもんでいいか」ではなく、自分にとってベストなものを選べることは大切だと思う。"You are what you eat." とよく言うが、大切なのは食べるモノだけでない。だから今日も、好きな場所で好きなモノに囲まれながら、好きな服を来て、好きな音楽を聞いて生きていきたい。そしてそんな豊かな人たちに囲まれて生きていきたい。MIDORI.soは私にとってそんな場所。
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