COLUMN #141 サーフィンとコミュニティの関係性

コロナ期間中から始めて2年半ぐらいサーフィンをしている。もともとスケボーをしていた僕は手の舟状骨という所を怪我してしまい、ほっとくと手が腐ると言われて、全身麻酔を伴う大掛かりな手術をした。そこから身が入らず、身体もあまり動かさない時期を過ごしていた。
きっかけは、前職のクリエイティブの会社でADをしていた友達が、サーフィン行こうよ!って誘ってくれたことだ。その時はあまり気が乗らず、渋々ついて行った思い出がある。スケボーは板さえあればどこでもできるし、自分が好きなファッションに身を包んで颯爽と街に繰り出し、ストリートそしてパークに行けばすぐ友達ができてコミュニティが広がっていく。当時の僕からすると、ん、サーフィン?ウェットスーツに身を包んで、磯臭くなってどこが楽しいの?って感じだった。サーフィンを始めても半年ぐらいは板に立てないわ、海水が目に入って痛いわ、行くのが面倒いわで、友達に誘われてやっと行くという状態だった。やっと楽しいと感じたのは下田にサーフトリップに行った時で、3日間連続で海に入って、やっと身体が波にのるという行為を覚えてくれたときだ。そこからは毎週海に行くようになって、最近車も購入した。
でもふと思ったことがある。海に行って、他のサーファーとあまり友達になることが少ないなと。考えてみると、この一文に集約できるのではないかと思う。「サーファーの敵はサーファーで、スケーターの敵はスケーター以外」どういうことかというと、スケーターの敵は街の警備員や警察、注意してくる人たちなので、スケーターはスケーターを守る。ことサーフィンは、基本海にいるのはサーファーで二度と同じ波は来ないし、その波に乗れるのは一人と決まっているから、必然的に敵はサーファーとなる。そしてローカルの縄張り意識が高いので、それがコミュニティをさらに排他的にさせる。
僕は外国人の友達が多く、よく友達をサーフィンに誘う。サーフィンをしない人でも、海に行こうよ!って誘って連れていく。朝早く起きて、大自然に触れ、ローカルな蕎麦屋でランチをし、美味しいコーヒーを飲み、都内に帰ってくるととても喜んでいる。こんなエクスペリエンスをブランドにできないかと思って最近、Après Surf (アプレサーフ)というコミュニティベースのライフスタイルブランドを作った。MIDORI.soの中目黒で同じくサーフフレンドのEko Hayashi にお願いしロゴを作ってもらった。Après というのは After という意味で、サーフィンが終わって車中でいろいろ話したり、ご飯を食べたり、ゆっくりビーチで寛いだり。そういう体験全体を名前に詰め込んだ。そしてAirbnb Experience でもこの体験を公開して最近問い合わせが増えてきている。
東京はとても素晴らしい所だなと思う。1時間車を走らせれば大自然に行けるし、太平洋に面しているので、そこそこ波もある。千葉なんかに行くと、こんな美味しい定食がこの値段で食べれるの?という新しい発見もあったりする。まだ出来たばかりのブランド&コミュニティだけど、広がっていくといいなと思う。デジタルデトックスしたい方も是非連絡ください。これからシーズンです。
ちなみに僕はサーフィンで骨折をしなかった代わりに、顔面にフィンが飛んできて20針縫いました。ただ気をつければ安全です(笑)
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