COLUMN #33 destiny?

ある格闘家が引退を考えている時に、施設のトイレの小便器の前で見た張り紙の文字「一歩前へ」。
普通の人からすれば便器が汚れないための注意喚起ですが、この格闘家はこの言葉で引退を決意しました。「世の中は全て必然で、見える全てのモノに悩みの答えが散りばめられている」という考えからこの決意に至ったそうです。私はこの考えに割と共感していて、たまに出会う偶然を必然と捉えて考えるようにしています(都合のいい範囲で)。
今、WEBで何かを検索すると「そういえばコレ欲しかったなー」と思っていた商品に出会い、趣味や仕事に繋がる出会いが沢山あります。それはもう「運命かも」と思ってしまう程に世の中は前向きな後押しに溢れている時代です。それが購買意欲を刺激する為の「擬似運命」だったとしても、良し悪しの判断をさせないスピード感で目の前に現れるので後から「これは運命じゃなかったな...。」と後悔する人も多いと思います。コロナで外に出られなくなった今では特に。
でもコロナの世の中になったからこそ「人とちゃんと会って話すことの大切さ」を再確認した人も多いのではないでしょうか。だからこそ、WEBの情報ではなくリアルのコミュニケーションで運命を感じて「人」「物」「情報」「考え」に出会いたいものです。
「対面同席五百生」という言葉があります。この言葉は「同じテーブルに同席したり向かい合った人は、前世を500回以上共にした人だ」という、人の出会いとはそれぐらい尊いものだという仏陀の言葉です。今まで私はこの言葉自体は好きでしたが、ただ席が同じだった人とそこまでの縁を感じることは難しいと感じていました。なぜなら、元々販売員をしていた私はお客様に情報というボールを一方的に投げることがコミュニケーションだったからです。
ですが、MIDORI.soのコミュニティ・オーガナイザーとメンバーは旧態依然の「従業員と客」の関係性ではなく、キャッチボールするようにコミュニケーションをとることが当たり前です。MIDORI.soのようなコミュニケーションに溢れた場所であれば仏陀の言葉も「本当にそうなのかもしれない」と思えます。
コロナ禍と呼ばれて丸々2年が経ちました。この期間で、色々なスタイルの生活が生まれたと思います。人とのコミュニケーションを完全に絶って仕事を効率化する人もいるとは思いますが、僕は可能な限り人とコミュニケーションを育み、色々な運命を仕事や生活にもたらす環境を作れればと思っています。
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