COLUMN #96 in-between

Nagatacho GRiDは、2017年、“ON THE GRiD OFF THE GRiD” “つながろう、自由になろう“をコンセプトにガイアックスが運営するシェアビルとして誕生した。リモートワークが急速に普及した後も、ニューノーマルの時代に適したシェアオフィスとして形を変え、働き方の自由と多様性を尊重する環境を提供した。
そして2023年5月、株式会社ガイアックスからMIRAI INSTITUTE株式会社への事業承継によって、GRiDはMIDORI.so Nagatachoとして生まれ変わった。※MIDORI.soの運営範囲は5Fフロアからビル全体へと広がりました
この事業承継のプロジェクトの担当者であった私は、当初自分の役割を、ガイアックスとMIDORI.soという2つのせかいの”あいだ”に立つことだと理解していた。しかし実際の役割はーというより、私が望んだ役割はーこの2つのせかいの”あいだのもの”を生成することだった。
社会人類学者ティム・インゴルドは著書『The Life of Lines』のなかで次のように述べている。
あいだ(between)とあいだのもの(in-between)のあいだには違いがある。「あいだ」はすでに接ぎ目で切り分けられている分割された世界を間接接合する。「あいだのもの」はそれと対照的に、生成世界という、事物がまだ与えられていないが、与えられつつある世界における、生成と消滅の運動である。
GRiDとMIDORI.so
ー“人と人をつなぐ” と ”人と人がつながる心地良さ”
ー“社会変化に合わせた働き方” と ”これからの働き方”
ー“働く場所を創る” と ”働く状況を創る”
これらのせかいを接合する架け橋になるのではなく、これらのあいだのものー例えるならそれは岸と岸のあいだを流れる川のようなものーをつくり出すこと、それが私の選んだ仕事であった。
インゴルドは「あいだには二つの終点があり、あいだのものには終点はない」という。とんでもない旅に出てしまったな、とも思う。それでも私は、今日も”あいだのもの”として、流れの中程にいる。
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