COLUMN #51 over the cuckoo's nest

Topic: ColumnWritten by ryhe akasaka
2022/7/22
over the cuckoo's nest

Three geese in a flock.
One flew east,
And one flew west,
And one flew over the cuckoo's nest.

群れの中の3羽のガチョウ
一羽は東に飛んだ
一羽は西に飛んだ
一羽はカッコウの巣の上に

精神病院を舞台にした映画「カッコーの巣の上で」のタイトルはこのマザーグースの有名な詩に由来する。当時はカウンターカルチャー全盛期の中で、反逆的文学が流行り、サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」とジャック・ケルアックの「オン・ザ・ロード」そしてケン・キージの「カッコーの巣の上で」の3つは反抗する若者から絶大な支持を得た作品となった。

僕は学生の頃にこの映画を観て感動し、変化のきっかけを与えてくれた。というのも、当時服飾の学校でファッションデザインを学んでいたが、学校特有の同調圧力や空気感に嫌気がさしたり、自分らしさを表現したくてデザイナーを目指したのに自分らしさより周りからの評価を気にする自分が嫌になっていた中で、現実を忘れようと映画や文学から答えを求めようと必死になっていた自分を励ましてくれたからだ。衝撃的なラストシーンでは思わず立ち上がっていたほどだ。

冒頭のマザー・グースの詩に戻るが、これは、現在の環境(the cuckoo's nest)から飛び出して本来いるべき場所へ飛び出そう(flew over)というメッセージだ。好きなことをして好きな場所に行けばいい。権力や社会から完全に自由になることは難しいが、一瞬の勝利や楽しさを見出したら勝ちなんだ、そんなことをタイトルと物語は教えてくれた。

そしてこの映画をきっかけに僕自身も変化した。学校に通いつつ、社会と繋がるためにインターンとしてコレクションブランドに微力ながらも参加したり、就活もせず、本当に好きなことを探しながら挑戦したりと自分に正直に生きるようにしてきた。今僕は、3月に学校(the cuckoo's nest)を 卒業し(the cuckoo's nest4月からMIDORI.so馬喰横山にあるスタジオ「SIGHT SITE STUDIO」で働いている(flew over)。自分の好きなデザインで好きな服を作ることができるスタジオで、楽しみながら自分らしさを大切に今後もスタジオを盛り上げていきたい。

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