COLUMN #255 スーパーマーケット

特に買うものが決まっていなくても、スーパーであれこれ見て回るのが楽しい。野菜や果物を見て、魚や肉を見て、調味料を見る。旬の野菜や果物が並ぶと、季節が変わったことに気づく。毎年見かけているものでも毎回新鮮な気持ちで、またこの時期が来たなと思う。スーパーで季節を感じることは意外と多い。
旅行に行くときも、スーパーがあると寄りたくなる。予定を立てるときに滞在先の近くにどんなスーパーがあるのか調べることもあれば、歩いていて偶然見つけたところにそのまま入ることもある。
「暮らすように旅する」という言葉があるけれど、旅先でスーパーに行くと、その土地の暮らしに少し触れられるような気がする。
旅先のスーパーでは、普段見慣れている食材のサイズや種類、値段などの違いをひとつずつ見つけていくのがおもしろい。たとえば卵。業務用でもないのに30個入りが2パック並んでいたりする。牛乳も、脂肪分の違いだけで何種類もあって、ビタミンやオメガ3入りのものまである。1ガロン、ほぼ4リットルというサイズにも驚く。チーズやハム、シリアルは選びきれないほど種類が多い。初めて見る果物や香辛料、見慣れない色のお菓子も、気になってつい見てしまう。
知らない商品が棚の広いスペースを占めていると、ここではよく食べるものなのかな、と気になってくる。知らない調味料を見つけると、何に使うんだろう、どんな料理になるんだろうと考える。食べるものだけでなく、日用品までひと通り見ているうちに、その土地での普段の暮らしまで想像する。30個入りの卵はどのくらいでなくなるんだろう。こんなに大容量の商品が並んでいるなら、冷蔵庫も大きいのかな。棚に並んでいるものを見ていると、そんな想像がどんどん広がっていく。
旅先でも、いつものスーパーでも、結局やっていることはあまり変わらない。
棚から棚へ歩きながら、気になったものの前で立ち止まる。
見るだけで十分楽しい。
そう思って歩き回ると、帰る頃にはだいたい荷物が増えている。
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